雄山おんぜん-標高1153m- 雌山めんぜん-標高1067m-新見市大佐大井野

フジバカマ・ウバユリが咲く夏は、蝶の舞う天空の花畑となる



雄山は男前山、雌山は女前山とも呼ばれる。
二つの山を男女のペアに見立てられ、名付けられた。


 
 
      大佐大井野と菅生にまたがる雄山・雌山。雄山は菅生別所の鳴滝へ、雌山は大井野川へと水を運ぶ。中国自動車道大佐スマートインターチェンジの開設で交通の便が良くなり、県南、県外からの登山者も多い人気のハイキングスポットだ。
 登山口は大井野上組集落の外れにあり、県道沿いに立派な看板がある。
     
     林道に入り、しばらく進むと旧スキー場の牧草地に差し掛かる。森林帯に向かって延びる林道を進む。苗木畑を通り過ぎ、植林地を抜けると登山道との分岐点に着く。ここにも登山口と同じ看板がある。
     
 今はない大井野スキー場の牧草地

     

登山道は細く、一列になってカラマツ林の急登な道をジグザグに、途中から斜め真っすぐにいく。雌山頂上近くの左手に大岩が張り出した展望の良い場所がある。眼下に大井野集落、遠方には雄山、千屋花見の花見山が一望できる。
     
      
 ほどなく雌山の頂。針葉樹に囲まれて周囲の景色は見えない。
 雄山山頂まで45分の標識に従い尾根をたどる。藪をかき分け、植林地を通り、下ったり上ったりしながら進むと視界が開け、クマザサの笹原が広がる。
     
     8月の雄山頂上はフジバカマが群生。今を盛りに花を付け、チョウが舞う。ウバユリの大きなクリーム色の花もあり、まさに天空の花畑。こうした風景が見られるのは、長年、地元の人が登山道を整備し、山頂の草を刈ってくださっているお陰だ。
 こんもりとした雄山の頂は360度の展望。大山や蒜山の山並み、南には大佐山が望める。春は足元に山野草が咲き乱れ、夏は新緑の樹海に、秋は錦模様ーと、四季折々の景色が楽しませてくれるだろう。
 帰路は来た道を引き返す。数年前、菅生の鳴滝に向けて登山道が開拓されたようだが、今は藪となって定かでない。