荒戸山あらとやま-標高761m-新見市哲多町田淵

            200万年前の火山活動でできた美しい玄武岩の山



 名前の由来は、ふもとの荒戸神社から。神社は龍運という法印が神のお告げで山頂に創建したとされ、その後、龍運は山の東側に荒戸山龍王寺を建立、住職となった。神社はのちに火災に遭い現在地に再建された。


 
 
      荒戸山は200万年前の火山活動によって造られた玄武岩の山で市の天然記念物。鍋を伏せたような山姿から地元では「鍋山」「阿哲富士」と呼ばれ親しまれている。
 玄武岩は冷え固まる時に割れ目が生じて五角、六角の柱状の形を造り、中腹には山肌から突起した玄武岩が数多く見られる。また、中腹から山頂に掛けては樹齢200年を超えるケヤキやコナラなどの自然林が残っている。ふもとの荒戸神社は大錦積命、天照大神ほか16神を祭り、室町時代の建築様式を今に伝える本殿は県の重要文化財。
     
 岡山県重要文化財の「荒戸神社」


 登山口は荒戸神社。哲多町田淵の新田集落の県道沿いに設置されている「登山口まで1㌔」の案内板に従って神社へ。駐車場は2カ所ある。境内西側の「荒戸山案内図」看板脇が登山口。つづら折りに15分ほど上ると、「西まわり」「東まわり」の標柱がある分岐点。どちらも山頂へと続くが左に折れて「西まわり」へ。
 
     植林と自然林の境を歩き、時折、眼前に現れる玄武岩の脇を抜けて進む。立ちはだかる玄武岩には「西乃瀧」「黒滝」の名札が付いている。
     
 登山道脇の玄武岩


 
     
     北に回り尾根を少し上ると頂上。木立に覆われて展望はない。南に進み、アセビの木立を抜けると高さ16㍍近い鉄骨の展望台に出る。展望台を加えた標高が777㍍になるよう平成4年に建てられた。当時は360度の展望が楽しめたようだが、現在は成長した周囲の木々に遮られている。 
     
     下山は「東まわり」のコースをたどる。遊歩道を東に進んで「郷土自然保護地域」看板の所から右の細道を下る。うっかりすると広い遊歩道を下ってしまうので要注意。中腹の弘法大師石仏を祭った玄武岩を過ぎると「西まわり」との分岐に戻る。ここから10分ほどで神社に着く。